もうこれ以上、許さない
「誤解?
いやしかし…」

「彼女は、昔から月奈さんを敵対していたので。
その偏見から、今回の誤解に繋がったんだと思います」

「そういえば珠和もそんな事を…」

やっぱり話してたか…
実は親からの電話を機に、珠和からも度々かかってきてて。
お母さんが今回の事を相談したんだと思ったあたしは…
風人との再会を隠してた手前、バツが悪かったし。
絶対反対されると思って、その電話にも出れなかったのだ。


「だったらなぜそう言わん!
逃げたら誰だって事実だと思うだろうっ。
だいたいお前は、昔っから逃げてばかりでっ…
4年経ってもこのザマか!?
少しは成長出来んのかっ!」
今度はお父さんがバツが悪くなったのか、あたしを責める言葉が続く。

ひとまずピンチを脱した事で、少し落ち着きを取り戻したあたしは…
その状況に新たな懸念を抱き始める。

このまま続いたら、締め作業間に合うかな…
でもそれを言ったら、また逃げてると思われるかもしれないし。
言い方によっては火に油を注ぎかねない。

誉も口を挟むタイミングを見計らってるようで…

いやそれより!
今、風人が通りかかったらどうしようっ。
絶対首突っ込んでくるだろうし、それで今回の出来事や誉がついてくれた嘘を知られたら…
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