もうこれ以上、許さない
また苦しめてしまうかもしれない。

それだけは絶対、お父さんにどう思われても防ぎたくて。
はやるきもちで、あたしも口を挟むタイミングを見計らう。

だけど、あたしの悪影響で珠和が道を踏み外したと思ってるお父さんは…
これまでのうっぷんを晴らすかのように、次から次へとまくしたてる。

「そもそも、火のないところに煙は立たん!
自分にも非があるから、いらん誤解を招くんだっ。
わかるかっ?
人に敵対されるような、お前の人間性にも問題があるんだ!
まったく、いつまでそんなつまらん人間でいるつもりなんだっ。
誇れる人間になるのは無理でも、せめて周りに迷惑をかけないように、」

「いやぜんっぜん!つまらん人間なんかじゃないっすねー」
そこでいきなり風人が現れて。
タイミングなんかお構いなしに、そうお父さんの説教をぶった斬る。

あああ!恐れていた事が現実にっ…


「今度は誰なんだっ?」

「俺はっ…
ここの超常連です!」
あたしとの関係に明確な肩書きがない風人は、一瞬ためらって大いばりでそう答えた。

余計な事を名乗られなくて、ひとまず胸を撫で下ろすも。
この場をどう切り抜けようかと、焦ったところで。
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