もうこれ以上、許さない
暴露してくれたから2人で対策がとれて、関係を終わらせたふうを装ってる。
とだけ答えてた。

ー「これ以上月奈を苦しめたら、その時は許さない」ー
そう言ってくれた誉だから、珠和同様…
駆け落ちなんて絶対反対すると思って、言いにくいのもあったからだ。

もちろん、この町を離れる事は言わなきゃだけど。
事情を知ってる誉には、駆け落ちだとバレそうで…
なかなか言い出せずにいた。

さらに今となっては、ほんとに実行出来るかも疑わしくて…
このまま終わってしまうんじゃないかって不安で…
余計言いにくくなっていた。


だからって、心配されるほど不安が滲み出てたなんて…
たった一週間で情けない。
でもたぶん、この最初の一週間が一番しんどいはずで…
ここさえ乗り切れば!と気持ちを奮い立たせて。
誉を笑顔で見送った。



そんなふうに次の日も。
やって来たお客様に、いらっしゃいませ〜と笑顔を向けると。

「っ、うそなんでっ?」

目の前には、会いたくてたまらなかった人の姿。


「ただいまっ。
ちゃんといい子で待ってた?」

「うん、待ってたけど…
もう、終わったのっ?」

どうしよう…
仕事中なのに、涙がボロボロこぼれ出す。
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