もうこれ以上、許さない
「ねえっ、あたしの事が好きならあたしを1番に優先してよ!
あたしだけ守ってよっ!」

そうやって、ずっと押し殺してた醜い本音が爆発すると…
風人は、今までにないくらい辛そうに顔を歪めた。

「っっ、ごめんっ……
…ムリだ俺。
もうこれ以上、月奈とこんな関係でいんの無理っ」

うそ…
嘘だよね?


「さんざん傷付けといて、勝手なのはわかってるけど…」

やだよ、別れたくない!
気持ちをちゃんとぶつけてくれるとこが好きだって言ったじゃん…
どんなあたしでも受け止めるって言ったじゃんっ。

「嘘つきっ!」
とっさにあたしは、その場から逃げ出した。


そして、玉城さんをおんぶしてる風人が追いかけて来れないように、住宅街へ続く石段に進むと…
涙で視界が邪魔されて、足を踏み外してしまう。

恐怖で反射的に目を瞑った途端。
真っ逆さまに落ちる身体が、何かに力強く包まれて…

そのまま階下に打ち付けられる。


あ、れ…
そんなに痛くない。

バッと身体を起こして、その理由を確かめると。

下敷きになっていた風人が、ぐったりと横たわっていた。


「風人!!
嘘でしょ、なんでっ?
ねぇ起きてよ風人!しっかりしてよっ!」
あたしは錯乱状態で…

すぐにやって来た玉城さんも、同じく錯乱状態で…
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