もうこれ以上、許さない
携帯も頻繁にチェックされてたから…
疑いを晴らすためには、1ミリのミスもするわけにはいかなかった。

でもその間、ただでさえ不安そうにしてた月奈を、もっと不安にさせるだろうし。
あっちに帰っても、駆け落ちするまで一緒にいられないし。
月奈の妹に、月奈がずっと苦しんできた話を聞いたから…
そんな月奈を少しでも癒したかった俺は、どうにか一緒にいられる時間を作れないかと必死に立ち回った。



ーーーだけど、そのために地元で携帯を解約しなかったのが…
今となれば、詰めが甘かったとしか言いようがない。

ここまで俺に執着する芽衣の行動を考えれば、この事態を予測出来たはずなのに…
そんな芽衣に不安を感じてたから、ちゃんと駆け落ちするまで月奈に手を出さなかったのに…
肝心なとこで詰めが甘くて、つくづく自分が嫌になる。

挙句、ありえない妊娠を突きつけられて…
潜在意識でヤった日か!って信じてしまったし。
月奈がまた俺から離れてく羽目になったし。
ぼろぼろ泣かせて、胸をめちゃくちゃ八つ裂かれたし…
どんな事情だろうと、月奈からしたら許せないだろうなって絶望したし。

しばらく考えたいのも当然な、受け入れられない問題だと思ったから…
何も言えずに、この手を離すしかなかったのに。
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