もうこれ以上、許さない
結婚してからの、あたしたちは…
離れてた時の分を取り戻すくらい、甘々な日々を過ごしてた。


「るーな、何見てんの?」
お風呂上がりの風人が、ソファで携帯と睨めっこしてるあたしの隣に腰掛ける。

「ん〜?
もうすぐお父さんの誕生日だから、プレゼント何がいいか選んでるんだけど…」

「マジ!?
え、俺も一緒に選んでいっ?」

「いいのっ?
うわ、助かる。
もうぜんぜん決まんなくてさ」

「よっしゃ、じゃあ貸してみ?」と、携帯を奪った風人は…
「はい、おいで」と、あたしの肩を抱き寄せて。
「見える?」と、優しい声で画面を向けた。

あたしは「うん」と指を伸ばして、スクロールしながらも。

そんな風人にキュンとして…
こんな時間が幸せで、愛おしくてたまらなくて…
選ぶどころじゃなくなっていた。


そこでふと。
携帯を待つ風人の腕に、痛々しい青アザを見つける。

「どしたのそれ、大丈夫?」

「ん?
あぁ、仕事でぶつけて…
でもチュッてしてくれたらすーぐ治るね」

「わけないじゃん」

「ほんとだって!やってみ?」

ええ~、といったん反抗したものの…
早く治りますようにと願いを込めて、優しく長めにキスすると。
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