雨の巫女は龍王の初恋に舞う
璃鈴が眠っていたのは、後宮内の自分の部屋だった。あたりを見回して、ふと璃鈴は違和感を持つ。見慣れた部屋なのに、いつもと何かが違う。少し考えてその違和感の正体に気づいた璃鈴から、血の気が引いた。
「龍宗様、秋華は?」
ちょっと用があって出ているだけかもしれない。けれど、璃鈴が倒れる前から姿が見えなかった秋華が今もここにいないことは、璃鈴に言われのない不安をもたらした。
その名を聞いて、龍宗が表情を歪める。
その様子が、さらに璃鈴の不安を駆り立てる。
「秋華は、どこにいるのですか? 無事ですか?」
「無事……だ」
歯切れの悪い言い方に、璃鈴の不安が増す。
「なぜ、ここに秋華がいないのですか?」
「あの娘は、後宮を追放となった」
ざ、と璃鈴の血の気が引く。
「龍宗様、秋華は?」
ちょっと用があって出ているだけかもしれない。けれど、璃鈴が倒れる前から姿が見えなかった秋華が今もここにいないことは、璃鈴に言われのない不安をもたらした。
その名を聞いて、龍宗が表情を歪める。
その様子が、さらに璃鈴の不安を駆り立てる。
「秋華は、どこにいるのですか? 無事ですか?」
「無事……だ」
歯切れの悪い言い方に、璃鈴の不安が増す。
「なぜ、ここに秋華がいないのですか?」
「あの娘は、後宮を追放となった」
ざ、と璃鈴の血の気が引く。