雨の巫女は龍王の初恋に舞う
「春玲……」

「はい。なんでしょう、皇后様」

 璃鈴は手をのばすと、春玲に思い切り抱きついた。

「これから……よろしくね、春玲」

「はい。はい、皇后様」

「ずっとずっと、一緒にいてね」

「はい」

 抱き合う二人を、龍宗は目を細めて見ていた。


  ☆


 雨は、璃鈴が眠っている間も、強くなったり弱くなったりしながらずっと降り続いていた。

 璃鈴の目が覚めてから、龍宗は常に璃鈴の側に付き添うようになっていた。
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