雨の巫女は龍王の初恋に舞う
「陛下、もう皇后様は大丈夫ですから、お仕事に戻ってください」
「ああ」
龍宗は春玲にそう言われて生返事をするが、長椅子に座る璃鈴の隣に寄り添って書類を読みながら、動こうとはしない。
「もう私はこの通りすっかり元通りですから」
片手で璃鈴の髪をもてあそんでいる龍宗に璃鈴が言うが、龍宗はまた、ああと適当な答えを返すだけで、いっかなそれをやめようとはしなかった。
その場で決済分の書類を調べていた飛燕が、くすくすと笑う。
「おかげで、陛下はご自分のお仕事を他の官吏に振り分けることを覚えました。その手腕に、官吏の中でも陛下の信頼度が上がってきております。陛下もよくお休みにもなられているようですし、むしろもうしばらくこちらで過ごしていただいてもよろしいくらいです」
「ああ」
龍宗は春玲にそう言われて生返事をするが、長椅子に座る璃鈴の隣に寄り添って書類を読みながら、動こうとはしない。
「もう私はこの通りすっかり元通りですから」
片手で璃鈴の髪をもてあそんでいる龍宗に璃鈴が言うが、龍宗はまた、ああと適当な答えを返すだけで、いっかなそれをやめようとはしなかった。
その場で決済分の書類を調べていた飛燕が、くすくすと笑う。
「おかげで、陛下はご自分のお仕事を他の官吏に振り分けることを覚えました。その手腕に、官吏の中でも陛下の信頼度が上がってきております。陛下もよくお休みにもなられているようですし、むしろもうしばらくこちらで過ごしていただいてもよろしいくらいです」