雨の巫女は龍王の初恋に舞う
「私は、何をしたらよいのでしょう」
「何もしなくていい。ただ、俺のすることに身を任せろ」
意図をもって動き始めた龍宗の手に、びくりと璃鈴は体をこわばらせた。その動きを感じて、龍宗はいったん手を止める。
「怖いか?」
「いいえ。……龍宗様」
「なんだ」
「私も一つ、嘘をつきました」
「なに?」
きょとんとする龍宗に、璃鈴は、ふふ、と笑う。
「大っ嫌いなんて、嘘です。……本当は、大好き」
そう言った璃鈴に目を丸くすると、龍宗は笑いながら口づけを落とした。
輝加国には、伝説があった。
強い力を持った天の龍と、その龍を封じた雨の巫女が、国の最初の礎になった、と。
なぜ龍はその力を収めたのか。なぜ巫女は異形のものに嫁いだのか。
真実は、遠い遠い昔話の中。
「何もしなくていい。ただ、俺のすることに身を任せろ」
意図をもって動き始めた龍宗の手に、びくりと璃鈴は体をこわばらせた。その動きを感じて、龍宗はいったん手を止める。
「怖いか?」
「いいえ。……龍宗様」
「なんだ」
「私も一つ、嘘をつきました」
「なに?」
きょとんとする龍宗に、璃鈴は、ふふ、と笑う。
「大っ嫌いなんて、嘘です。……本当は、大好き」
そう言った璃鈴に目を丸くすると、龍宗は笑いながら口づけを落とした。
輝加国には、伝説があった。
強い力を持った天の龍と、その龍を封じた雨の巫女が、国の最初の礎になった、と。
なぜ龍はその力を収めたのか。なぜ巫女は異形のものに嫁いだのか。
真実は、遠い遠い昔話の中。