雨の巫女は龍王の初恋に舞う
すらり、と飛燕は腰の剣を抜いた。誘われるままに、羽扇を持たぬ手で春玲は舞い始める。春玲の顔にみるみる驚愕の色が広がった。
ぴたりと重なる二人の舞。
璃鈴が龍宗に舞の手ほどきをしてもらったと言っていたことを、春玲は思い出した。
(ああ、そうか。この方も)
「私も、幼いころから覚えさせられたのです」
春玲の心を読んだように、飛燕が答える。
雨の巫女と重なる龍の舞。それは、皇位継承者に代々伝えられる秘伝の舞。飛燕は秘密裡に、龍宗とともに幼いころから巫女の対となるこの舞を覚えてきたのだ。
足さばきも軽やかに舞いながら、飛燕が笑んだ。
「ですが、龍宗様に聞いていたような天の息吹は私には聞こえませんね」
「天地の息吹?」
ぴたりと重なる二人の舞。
璃鈴が龍宗に舞の手ほどきをしてもらったと言っていたことを、春玲は思い出した。
(ああ、そうか。この方も)
「私も、幼いころから覚えさせられたのです」
春玲の心を読んだように、飛燕が答える。
雨の巫女と重なる龍の舞。それは、皇位継承者に代々伝えられる秘伝の舞。飛燕は秘密裡に、龍宗とともに幼いころから巫女の対となるこの舞を覚えてきたのだ。
足さばきも軽やかに舞いながら、飛燕が笑んだ。
「ですが、龍宗様に聞いていたような天の息吹は私には聞こえませんね」
「天地の息吹?」