雨の巫女は龍王の初恋に舞う
「相変わらず羽のように軽いな」

「そこまで軽くはありません」

「では、天女を抱いているようだとでも言おうか?」

 さらに赤くなった璃鈴を見て龍宗は笑った。それを見て、ぷ、と璃鈴は頬を膨らませる。

「龍宗様、意地悪です」

「意地悪だと嫌いになるか?」

「そんなこと……わかってらっしゃるでしょう?」

「さあな」

 龍宗は璃鈴を抱いた手に力をこめ、耳元で囁いた。

「今夜、ゆっくり聞かせてもらおう。……床の中でな」

 璃鈴はもう何も言えずに、その胸に顔をうずめてしまう。

 朝日を浴びながら二人は、彼らを待つ人たちの元へと戻っていった。





【終】
< 313 / 313 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:54

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
いずみ/著

総文字数/87,231

ファンタジー237ページ

第5回ベリーズカフェファンタジー小説大賞エントリー中
表紙を見る
約束してね。恋をするって
いずみ/著

総文字数/80,824

恋愛(その他)195ページ

表紙を見る
Invanity Ring --- 今宵、君にかりそめの指輪をーーー
いずみ/著

総文字数/31,945

恋愛(その他)70ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop