雨の巫女は龍王の初恋に舞う
龍宗は長老の勘違いに話を合わせて聞いた。
「あの娘は、なぜ一人だけ色の違う襟なのだ」
「はい、彼女は今、十五歳。十六になって大人となりましたら、襟も大人と同じものになりまする」
この国では、女性は十六から成人として認められる。十五はまだ子供のうちだ。
「ですから陛下が皇后を選ばれるのでしたら、彼女以外の五人の中から、ということになります。いずれの巫女を選ばれましても、皇后として申し分のない立派な巫女たちにございます」
「ふん……」
長老の話を聞いている間も、龍宗の目はずっとその娘を追っていた。理由は龍宗自身にもわからない。その娘の伸ばす指先、跳ねる黒髪、小さなつま先。そんなものが、龍宗の視線をとらえて離さなかった。
「あの娘は、なぜ一人だけ色の違う襟なのだ」
「はい、彼女は今、十五歳。十六になって大人となりましたら、襟も大人と同じものになりまする」
この国では、女性は十六から成人として認められる。十五はまだ子供のうちだ。
「ですから陛下が皇后を選ばれるのでしたら、彼女以外の五人の中から、ということになります。いずれの巫女を選ばれましても、皇后として申し分のない立派な巫女たちにございます」
「ふん……」
長老の話を聞いている間も、龍宗の目はずっとその娘を追っていた。理由は龍宗自身にもわからない。その娘の伸ばす指先、跳ねる黒髪、小さなつま先。そんなものが、龍宗の視線をとらえて離さなかった。