豚は真珠♡


私と守人の前には暗くなってライトアップされたクリスマスツリーがキラキラ光っていた。

『さ、寒くなってきたね。』
私は前を向いたまま隣の守人に話しかける。

守人『う、うん。冷えるね。』
かなり気まずそう・・・。
お互い学校の行き帰りにやっと慣れてきた所だった。
デートで二人きりなんてハードルが高い。

二人してモジモジしていると目の前のクリスマスツリーが一瞬消え真っ暗になった。
そして次の瞬間パッと電気が点いたかと思うと、目の前のツリーを中心に動くイルミネーションショーが始まった。
周りのお客も一斉に『おー!!』と歓声を挙げた。

『わぁー!!綺麗!!』
私は思わず歓喜をあげる。

守人『おー!すげぇ!』
守人も凄く嬉しそうだ。

私は今まで人と付き合ってこなかった。
興味心よりも自分の知らない世界で傷つくのが怖くて大勢人の集まる所やキラキラした場所を避けてきたのだ。
自分には合わないと殻をつくり自分自身を守って来た。
でも真利亜や守人、今野に白路君と出会って自分の殻から出ることができた。
最初は刺激が強くて耐えるのに必死だったけど皆がフォローしてくれた。
だから少しずつでも前に進む事ができた。
あのまま殻にこもっていたらこんな経験もしなかったし景色も見れなかっただろう。
皆には感謝してもしきれない。

そんな事を考えていたら守人がこちらをみて微笑んでいるのがわかり一瞬にして現実に引き戻され恥ずかしさが舞い戻ってきた。

(変な顔してたかな・・・)
顔が熱くなるのが分かった。

私がモジモジモードに戻ると守人が口を開いた。

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