豚は真珠♡


−守人side−

(え……)
今何が起こったのか理解できなかった。

(今何て言ったんだ。早口すぎて聞こえなかった。てか、足早…。)
そんな事考えていたら隣から

『今の…何?なんて言ってたの?』
彼もよく聞こえなかったようだ。

彼の名前は
白路 頼寿 (しろじ よりひで)
最近の名前とは思えない珍しいい名前だが、同じバスケ部のメンバーである。
聞いた話だとおじいさんが有名な作家さんで戦国が好きであり、そんな名前になったとかなんとか…
こいつは俺が転校してきてからずっと一緒にいてくれている。
本人は友達がいないと嘆いていたがそんな性格がわるいのか。
今の段階で一つ分かったことは…しつこい性格であるということだ。

頼『お前、あの子にハンカチ貸したの?』

『貸したんじゃない、あげたんだ。』

頼『は?あげた?!』
頼は声を荒げた。

『昨日。体育でこけて足ケガしてたし。』

頼『お前…優しい通り越してお人よしだな。』

(…。)

その後言葉が出てこなかった。
確かに俺は昔から悪趣味だのお人好しだの色々言われてきた。
中学の時も、体調悪そうなやつを保健室につれて行ったら仮病だったり
落とし物拾って届けたら、わざと捨てたものだったりした。
手助けのつもりが裏目に出ることが多い。
少し気になる女子は皆から変な子と言われるような子が多かった。
【人間は中身だ】
親父に昔から言われて育った。
だから外見ではなく中身を見るようにしているし、自分が気が弱い性格だから意志の強い人に憧れる。

(ポチャッとしててかわいいと思うんだけどな…いつも群がってくる女衆よりよっぽどいい。それに…どこか意志の強さも感じる。)

そんな事を考えていたら集合の合図が鳴った。

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