豚は真珠♡
爺はゆっくりと話し始めた。
守人様は小さい頃とても体が弱くてアレルギーを何度も起こしては病院に連れられていました。
花を触っても、動物を触っても、ホコリや布製品、塗料なども…。
それはもう年がら年中痒かったり痛かったりでとてもお辛い様子でした。
(そういえば…。何となくそんな事あったような気がする。)
そんなある日、いつも寝ているはずの布団でもアレルギーを起こし守人様は私と病院へ行くことに…。
夕方家に帰ると守人様はかなり疲弊している様子でした。『少し休みたい』と言った守人様をお部屋にお連れして新しい布団へ寝かせ、私はリビングへ戻りました。
そこに社長様がとてもお辛そうな顔をして座っていたのでどうしたのかとお尋ねしました。
『俺は守人にストレスを抱えさせているのではないか。だからあんなに体調が悪いのではないか。』社長様はそうおっしゃいました。
丁度その時会社が上手く行き始めた時期で社長様も忙しくしておられ殆ど守人様と時間を作れずにいました。それに加え、顔を立たせる意味で守人様に我慢をさせてしまう事もしばしば…。
(あぁ…。魔の鎖の時か…。)
社長様はそれに気がついていながらも手を差し伸べてやれないもどかしさや悔しさを感じていました。
ふと手に持っていた新聞に【アレルギーにはルイボスティーが!】という記事が載っているのに気がついた社長様はすぐに最高級のものを取り寄せそれを守人様に飲ませました。すると、今まで苦しそうにしていた守人様が落ち着きを取り戻しぐっすり眠れるようになったのです。
後で調べた所、ルイボスティーはノンカフェインでリラックス効果がありアレルギーの症状を緩和する効果があるそうです。
社長様は初めて守人様のお役に立てた喜びから毎日寝る前にルイボスティーを淹れる習慣がつきました。
(そんな事初めて知った・・・。)