豚は真珠♡
‐真利亜side‐
(あ~久々真珠子と会える~)
あのクリスマスに日から全く会っていない。
最近は学校でも峰君との時間を長く持ってほしいから中々一緒に帰ったりもできなかった。
(いっぱい惚気話聞いてあげなきゃ!)
そんな事を考えていたら気持ちが高揚してきた。
流川の水面がキラキラ日の光に反射して綺麗に見えた。
土手の斜面に座りながらそんな事を考えていると何だか真珠子の来るであろう方向が騒がしい事に気が付いた。
(なんだろ。)
気になってそっちの方向に向かいかけた瞬間遠くから救急車のサイレン音が聞こえてきた。
その音を聞いたからかものすごく嫌な予感がしてきた。
(まさか・・・。そんなはずないよね。)
徐々に鼓動と足が速くなる。気が付くと走っていた。
土手を登り切った所でトラックが横断歩道の所で斜めになって止まっていてその周りに人が群がっている。
どう考えてもおかしい。
するとそのトラックの陰から赤い自転車が見えた。
それを見つけた瞬間血の気が引いていく。
(真珠子のだ・・・。)
全力で土手の階段を下り、群がる人込みをかき分けていく。
『すみません!通してください!!!』
それを抜けた所には人が一人倒れていてその横で明らかに焦っている男の人が携帯で誰かと話している。
(嘘でしょ・・・。)
今にも倒れてしまいそうな体をどうにか動かし
近づくと真珠子が頭から血を流してぐったりしている。
(いったいどうしてこんなことに・・・。)
『真珠子!ねえ!何があったの?!返事をして真珠子!!!』
気が付くとぐったりしている真珠子を抱きかかえ大声で叫んでいた。