豚は真珠♡


ーー次の日ーー

いつものように朝学校に行き真理亜と今野と話していると、峰くんと白路が入ってきた。

二人はいつも通り席についた。
その瞬間、隣のクラスの女子が突然入ってきて。峰君の席に近寄っていったかと思うと、突然手紙を目の前に出し『これ…!読んでください!』

それを見て真理亜が、
『あー…。あれは告白だね。完全に。隣のクラスの一番人気の女だよあれ。』
『へぇ。すごいね…』

そう言ったが、何故か胸がドキドキする。
手に汗が滲むのがわかった。



(なんで。凄く嫌な気持ちになるのは、何。これは…)








その日の帰り、昇降口まで来たところで、峰くんとさっきの隣のクラスの女子が話しているのを見た。
何やら峰くんに手を出している。
それを見つけたと同時に峰くんと目が合ってしまう。

(やばい。)
なぜそう思ったのかは分からないが、私は又心臓の鼓動が早まるのを感じ、足早にその場を去った。







帰り道何も考えられなかった。
ただ前を向き家路に急いだ…


家に着くと、玄関を入った所で崩れおちた。
何故か涙がでてくる。
その姿を見て直ぐにママがかけよってくる。

ママ『どうしたの?!学校で何があったの?!』

『何でか分からないけど苦しいよぉ…』

ママは部屋まで私を支えながら付き添ってくれた。とにかく休んでと言って、紅茶を入れて置いてってくれた。




私はベッドにうつぶせで泣いた。

(一体何がどうしてこんなに苦しいんだろうか…)

どれくらい経ったか分からないけど、
少し落ち着いて来たところでスマホが鳴った。真理亜からだ。



『もしもし?今家?急に走っていっちゃうからびっくりしたんだけど。』
私は真理亜にごめんと詫びをいれた。
今の状況を説明したら今から家に行くと言って電話がきれた。








数分後ーーーーー




真理亜が部屋に入ってくるなり突然床に膝を突き、
『ごめん!!真珠子!』
と土下座をしてきた。


『え?何のこと?』
真理亜『ごめん。まさか泣いちゃうなんて思ってなくて。』
『ちゃんと説明して。真理亜。』
真理亜『うん。実はね…昨日真珠子の峰君への気持ちを確かめようって言ったでしょ?』
私はうっすらそんな事を思い出した。
真理亜『真珠子の気持ちを確かめる為には峰君にどんな想いを抱いているかを確認するのが早いと思って…その…』
真理亜はその後口ごもって凄く言いにくそうにする。
『その…なに?』

真理亜『その…。峰君に隣のクラスの女子が告白する所をみせて真理亜がどんな反応するか…試しました…。ごめんなさい!』
そう言って真理亜がふただび土下座をする。

(試されたのか…。)
私はそこで一連の流れがわかった。
(しかも一度ならず二度目は昇降口でも…。)

『真理亜、別に怒ってないよ。私のためだもん。頭をあげて。』
私は1ミリも真理亜を攻めようなんて思ってなかった。
すると真理亜は顔をあげて
『あ、ありがと…』
と小さな声で言った。


その後少しの沈黙のあと、私から
『このモヤモヤは人を想う気持ちなのかな…』
正直な疑問を、ぶつけてみた。
真理亜『そうだよね。真珠子は人を好きになったこと無いもんね。一般的に好きな人へ他の女が近づいたり、楽しそうにしていると凄く嫌な気持ちになったりするんだよね。嫉妬心というかさ、モヤモヤする。』

『そうなんだね。このモヤモヤは好きな人への不安な感情なんだね。』

真理亜『うん。そういう人が多いいかな…』








私はこの時初めて、好意と言うものを知った。人を好きになるというのはこんなにも苦しいものなのかと。
自分の中で何か新しい物が芽生え変わっていくような気がした。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


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