豚は真珠♡
授業が終わり教室へ戻った。
しかし、そこには三木さんの姿は無かった。
次の授業のチャイムが鳴ってもまだ帰ってこない。
(三木さん大丈夫だろうか…)
心配が募り俺はノートの切れ端に手紙を書いた。
三木さん
大丈夫ですか?
心配です。
峰
そう書いた所まではよかったものの三木さんの席に近づく理由が無い。
(はぁ。やっちまった…)
そう思って書いた紙を丸めて無かった事にしようとした瞬間。
前の席から何か小さなものが宙を舞い三木さんの席の方へ飛んで行った。
白路『あ~!ふざけてたら消しゴム飛ばしちった…峰ちょっと取ってきてくんね?』
周りの生徒が
『お前自分で取りにいけし~』『さいて~』
野次を飛ばす。
頼はくるっと俺の席へ振り返るとウインクしてきた。
俺は意図は読めたが…ウインクには顔が引きつる。
(先生が来る前に行動しなければ)
俺は無言で席を立ち、消しゴムを拾うのと同時に三木さんの机のペンケースの陰に手紙をそっと置いた。
それにしてもさすがバスケ部主将。
丁度よい位置に投げたものだ。
そんなところも俺はお前を尊敬する。
(ありがとう、頼。)