豚は真珠♡
−今野side−
『言ってしまった…。』
俺は自分の部屋の真ん中で突っ立っていた。ついに真珠子に本心を言ってしまった。あの峰守人に勝てる訳なんか無いのに大口を叩いてしまった。
(あー。最悪だ…。)
俺は両手で顔を覆い膝から崩れた。
ーコンコンー
部屋のノックの音がした。
『はい?』
『お兄ちゃん?どしたの?何かドシンって…音がしたけど。』
妹の(空−そら−)だ。
俺より二個下で高校一年生。
俺とは違う高校に通っている。
『あ…。ごめん。なんでもないから。』
俺のうちは峰のお家とは違って古い創りだから少し物を落としただけでも音が響いてしまう。
空『そう?無理しちゃだめだよ?』
『ありがと…おやすみ。』
空『うん。お兄ちゃん、おやすみなさい。』
昔から空は心臓が弱い俺を気にかけてくれる。空は俺とは違って体も強くてバレーボール部に入っている。
空の足音が消えるのを確認してから俺はベッドへ移動した。
バサッ
大の字にベッドの真ん中には寝ころぶ。
この間、白路と峰と図書館で会ってしまったのが悲劇の始まりだった。
あの時峰が真珠子の事を気になっているって聞いた時何故か真珠子が遠くに行ってしまうようなそんな気持ちになった。
真珠子は本当に芯がしっかりしている。
どんなに周りから外見の事を言われようと嘆いたりしない。
その芯の強さに何故か惹かれてしまう。
俺は昔から体が弱かったのもあっていつも母親の言いなりで生きてきた。
高校も親が決めたようなもんだし、
少しでも体調を崩すと家族が心配するからと無理はしないように心がけてきた。
そんな周りに振り回されてばかりの俺だから惹かれたのかもしれない。
(あー…。でもどうしよう…。)
俺は不安で押しつぶされそうになりながら夜を過ごすことになった。