冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
翌日。予定していた午前十一時の十五分前に、司波家一行がやって来た。
「いらっしゃいませ」
待ち構えていた奈月は笑顔で迎えたものの、内心酷く驚いていた。
(“いずみさま”って男の人だったの?)
てっきりキャリアウーマンの令嬢が来ると思っていたのに実際表れたのは、直視するのに緊張するような見目麗しい大人の男性だったのだ。
180センチはありそうな高身長に見合った長い手足。
すらりとしたモデルのようなスタイルで、ひと目で上質だと分かるスーツがぴたりとはまり似合っている。
艶やかな黒髪が形の良い額を覆い、その下にある瞳はしっかりした二重だけれど、目じりが少し吊り上がっているせいかすっきりとして見えた。
「予定より早く着いてしまい申し訳ない」
心に響くような深みのある低いバリトン。声まで素敵なんだ、などと見入っていると彼が名刺を差し出した。
奈月は受け取り素早く目を通した。司波商事株式会社 事業推進部部長 司波和泉と記載されている。
(いずみってこういう字を書くんだ。初めから漢字を知ってたら男の人の可能性も思いつていたかも。事業推進部ってどんな仕事をするのかな)
「いらっしゃいませ」
待ち構えていた奈月は笑顔で迎えたものの、内心酷く驚いていた。
(“いずみさま”って男の人だったの?)
てっきりキャリアウーマンの令嬢が来ると思っていたのに実際表れたのは、直視するのに緊張するような見目麗しい大人の男性だったのだ。
180センチはありそうな高身長に見合った長い手足。
すらりとしたモデルのようなスタイルで、ひと目で上質だと分かるスーツがぴたりとはまり似合っている。
艶やかな黒髪が形の良い額を覆い、その下にある瞳はしっかりした二重だけれど、目じりが少し吊り上がっているせいかすっきりとして見えた。
「予定より早く着いてしまい申し訳ない」
心に響くような深みのある低いバリトン。声まで素敵なんだ、などと見入っていると彼が名刺を差し出した。
奈月は受け取り素早く目を通した。司波商事株式会社 事業推進部部長 司波和泉と記載されている。
(いずみってこういう字を書くんだ。初めから漢字を知ってたら男の人の可能性も思いつていたかも。事業推進部ってどんな仕事をするのかな)