冷徹旦那様との懐妊事情～御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない～
短い時間でそんなことを考えながら、奈月も自分の名刺を差し出した。

「和倉奈月と申します。本日は広川に代わり商品説明をさせて頂きますので、よろしくお願い致します」

「和倉？」

和泉がなぜか意外そうに眉を上げた。

「あの、何か？」

「いや、何でもないよ。こちらこそよろしくお願いします」

彼は爽やかな笑顔を浮かべると、連れの外国人の紹介をはじめた。

「彼は友人のアレン・ウイリアムズ。最近日本の食器に興味を持ったそうなんだ」

紹介された彼はかなり社交的な性格のようで、親し気な笑顔を浮かべた。

「今日を楽しみにしていました。よろしくお願いします」

かなり日本語が堪能のようで、英語スキルは全く必要ではなかった。

（私じゃなくても大丈夫だったみたい）

ならば友也に接客を代わった方がいいだろうか。いやでも今更代わるのも失礼だろうと思い直す。

「ウイリアムズ様こちらこそよろしくお願い致します。さっそくですが店内を一通りご覧頂き、気になるものがあれば説明させて頂くような形でよろしいでしょうか」

つきっきりで一つ一つ説明するより、その方が落ち着いて選ぶことが出来るのではないかと提案した。
< 11 / 226 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop