冷徹旦那様との懐妊事情～御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない～

「大きな問題はないわ。ただ、あなたを除く和倉家の人たちの言動が少し気になったから」

「気になる？」

「父は気にしていないけれど、私は司波家とは合わないと感じたのよ。」

亜貴はさらりと流した。おそらく叔父たちの言動に不満を持っているのだろう。ただそれを奈月に言う気はないようだった。

「奈月さんだけは違うと思っていたけれど、和泉と交際していたことを隠し、まるで初めて会ったかような態度をとっていた。なぜそんな演技をしたのか理解出来ないわ。和泉の説明では夏に別れたきりだったから気まずかったからと言っていたけど、隠す理由にはならないでしょう」

「はい……」

亜貴の言い分はもっともなので、何も言い返せない。

「和泉以外の男性と付き合っていない証拠もない。申し訳ないけれど私は奈月さんを信用できないの。だから検査を受けて貰います」

「亜貴さんが信用出来ないという気持ちは当然です」

もし自分が亜貴の立場ならかなりの不信感を持つはずだ。

「姉の私が口出しするのは不満でしょうけど、私はこの家を守りたいの」

「不満だなんて思っていません。それに私も産まれて来る子供の為にも真実をはっきりさせたいと考えてます」