冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
「和泉様、商品はどちらかにお届けした方がよろしいですか?」

「いやこのまま持って帰るよ」

「かしこまりました」

包装の続きをする。手元に向けられた視線に気づいているので少し緊張したが粗相はせずに済んだ。


「大変お待たせいたしました」

手提げにしっかりと仕舞い差し出すと、ウイリアムズの代わりに受け取った和泉はつい見惚れてしまうような微笑みを浮かべた。

「ありがとう。良い物が手に入ってウイリアムズも喜んでいるよ。和倉さんの説明もとても分かりやすかった」

「ありがとうございます。お役に立てたようでよかったです」

こんな風に面と向かって感謝の言葉を貰うと嬉しくて顔が綻ぶ。和泉が特別に素敵な男性なので一層照れてしまう。

(顔が熱い……赤くなってそう)

過剰に反応してさらりと流せないのは、褒められた経験が少ないからだろう。

けれど和泉はそんな事情を知らないのだから、あまり動揺していると怪しく思われそうだ。

なんとか落ち着こうと呼吸を整えていたそのとき、和泉は再び奈月を驚かせる発言をした。

「和倉さん、よかったら昼食をご一緒していただけませんか?」

「えっ?!」
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