冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
今の内に出産準備は整えておこうと入院時の荷物を纏めている。丁寧に作業をしてひと段落したときに、スマートフォンにメッセージが届いていることに気が付いた。

(あ……和泉からだ)

直ぐに内容を確認する。

【分かってる。明日の夜に帰る予定だ】

短く素っ気ない返信なのかもしれないが、奈月は心が浮き立つのを感じていた。

(検診日を覚えてくれていたんだ)

その為に帰って来るということはないだろうが、忙しい中出産関係に時間を割いてくれる。
それだけで嬉しかった。感情のまま返信をする。

【ありがとうございます、待っています】

待っているなんて、少し馴れ馴れしすぎただろうかと送信した途端に心配になる。けれど予想以上に直ぐに返事がきた。

【体の調子はどうなんだ?】

(心配してくれているの?)

社交辞令かもしれないけれど嬉しい。しかも質問されているので堂々と返信出来る。

【順調で出産準備もしっかり出来ています】

【買い物があるなら検診の帰りに行こう】

(え……また連れて行ってくれるの?)
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