冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
顔を合わせていないからだろうか。和泉の態度がいつになく柔らかに感じる。以前のように自然に会話が出来る。奈月は直ぐにメッセージをつくった。

【ありがとう。迷っていたバウンサーをやっぱり買いたいと思っていたの】

【分かった。他に何かあるか?】

【今のところは大丈夫】

【父と姉に何か言われていないか?】

そのメッセージには直ぐに反応出来なかった。

(もしかして、私が気まずい思いをしているって気づいているの?)

奈月のことなど全く関心が無さそうな素振りだったのに。

都合よく考えすぎなのかもしれない。和泉は奈月を気遣っている訳でなく、単に事実を聞こうとしているだけということもある。

それでも喜びが湧き上がるのを抑えられなかった。

【心配してくれてありがとう。みんなに信用して貰えるように頑張っているところです。この前、亜貴さんにクリスマスディナーに招待して貰ったの】

【詳細は帰ったら聞くが無理して参加しなくていい】

【無理じゃないよ。私も亜貴さんと仲良くしたいから】

【分かった。詳しくは帰ったら話そう】

和泉の返信は迅速だった。片手間でなく奈月のメッセージに対応してくれている。

【気をつけて帰って来てね。お休みなさい】

やり取りを終え、奈月はほうと息を吐いた。気持ちが舞い上がっている。

久しぶりに喜びと希望を感じた。

(早く和泉に会いたい)

彼との再会を描きながら眠りについた。

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