冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
「信じて貰えないかもしれないけど、私は別れた後誰とも付き合ってなんていない。だから初めから和泉との子供だって分かっていたの。がっかりなんてする訳がない」

考えもしなかった言葉だった。

(奈月が他の男と付き合っていない? では和倉愛理が嘘を言っていたということか?)

表に出さないながらも和泉は激しく動揺していた。

奈月の言ったのは和泉が願っていたことそのものだ。
和倉愛理と奈月のどちらを真実のかと言えば当然奈月だ。ただその奈月自身が他に好きな相手がいると言ったのだ。

「それならなぜあっさりDNA検査を受けた? 亜貴がむしろ乗り気だったと言っていた。それは父親をはっきりさせたからじゃないのか?」

真実を確かめたいばかりにキツイ口調になったが、取り苦労余裕がない。

「違う! 私が検査を受けたのはこの子が和泉の子だと認めてもらいたかったから。疑われなら生まれて来るなんてあまりに可哀そうだと思ったから。結果なんて初めから分かっていたけど、私が何を言っても誰も信じなかったでしょ?」

その通りだった。奈月が何を言ってもあの時の自分は受け入れられなかっただろう。

「和泉、私は本当に……」

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