冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
「予定日まであと少しだな」
「うん。亜貴さんが緊張するって言ってた」
「確実に俺の方がしてる」
真面目に言う和泉を見ていたら薬と笑ってしまった。
「揶揄うな」
「だって、いつも冷静な和泉が緊張するなんて変な感じで」
和泉はむっとしたように眉をひそめた。
「怒らないでよ、あ……」
和泉が奈月の言葉を封じるように唇を重ねて来た。臨月の体を気遣っているのか激しさはないものの、濃厚で溶け合うようなキス。
終わる頃には奈月の頭はぼんやりとして和泉をからかっていたことなんて忘れてしまっていた。
和泉は奈月の頭を愛しそうに撫でる。
「子供が生まれたらまずは何をしたい?」
「たくさんあるの」
「一番は?」
「天井を見て寝たい」
頭があまり回っていなかったせいか、妙な発言をしてしまった。和泉も呆気に取られている。
だけどお腹が大きくなってから横向きでしか寝ていない奈月としては切実な願いであったりするのだ。