冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
奈月は無言で部屋を出た。
部屋に戻ったあとは、何もする気になれずぼんやり過ごした。
かなりの時間をそうしてから、怖くて見られなかったスマートフォンをバッグから恐る恐る取り出す。
着信が来ても心が揺れないようにサイレントにしていた。
今は午後十一時。九時の約束からもう二時間が過ぎている。
ごくりと息を呑み画面をタップする。そして奈月は顔を歪めた。
「なにも……ない」
もう枯れたと思っていた涙が溢れ出した。
勝手な自分は和泉から連絡が来ていると思っていたのだ。それは怒りを訴えるものだろうだろうがアクションがあるはずだと。
けれど現実は何もなく、毎日続いていた彼からの連絡が初めて途絶えた。
それは和泉が奈月に見切りを付けた証なのだろう。
ふたりの別れが成立したのだ。
(和泉と本当に別れたんだ)
自分で決めたことなのに、辛くて立ち直れそうにない。
ベッドに突っ伏したまま顔を上げることが出来なかった。
部屋に戻ったあとは、何もする気になれずぼんやり過ごした。
かなりの時間をそうしてから、怖くて見られなかったスマートフォンをバッグから恐る恐る取り出す。
着信が来ても心が揺れないようにサイレントにしていた。
今は午後十一時。九時の約束からもう二時間が過ぎている。
ごくりと息を呑み画面をタップする。そして奈月は顔を歪めた。
「なにも……ない」
もう枯れたと思っていた涙が溢れ出した。
勝手な自分は和泉から連絡が来ていると思っていたのだ。それは怒りを訴えるものだろうだろうがアクションがあるはずだと。
けれど現実は何もなく、毎日続いていた彼からの連絡が初めて途絶えた。
それは和泉が奈月に見切りを付けた証なのだろう。
ふたりの別れが成立したのだ。
(和泉と本当に別れたんだ)
自分で決めたことなのに、辛くて立ち直れそうにない。
ベッドに突っ伏したまま顔を上げることが出来なかった。