冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~

仕事を終え帰宅しいつも通り自室に向かった。

叔父家族に帰宅の挨拶をする習慣は変わらないが、ここ最近は会話もなくすぐに解放されるのでゆっくりできる。

一日中寒かったので野菜たっぷりのスープでも作ろうかと考えながら、叔父たちが集まるリビングに向かった。

「ただいま戻りました」

挨拶後早々にリビングを出ようとすると予想外に呼び止められた。

「奈月」

「……はい」

内心眉をひそめながらも立ち止まり振り返る。

叔父も叔母も愛理も怖い程の笑顔だった。

「お前に報告があるんだ」

「はい」

叔父家族は上機嫌だが、奈月には関係のない話だろう。下手したら悪い知らせかもしれない。

何を言われてもいいように覚悟をして言葉を待つ。それでも叔父の口から出た言葉を聞いた瞬間取り繕えない程の衝撃を受けた。

「司波家との縁談がようやくまとまりそうだ」

「えっ?!」

叔父の顔がにやりと歪んだ気がした。

「もちろんお前ではなく、愛理と和泉の縁談だ。週末に顔合わせを行い出来るだけ早く話を進めるつもりだ。家のしきたりなどを学ぶために結婚式を待たずに愛理は司波家に入る。愛理がこの家で過ごせるのも後少しだな」

叔母も誇らしそうに目を細めた。
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