絶対王政〜You are king〜
「おはよう、お姫様」

そう言い微笑むのは、今のジェーンの婚約者であるフリードリヒだ。ジェーンは彼をキッと睨み付け、「あなたのせいで幸せな夢が台無しよ」と言い立ち上がった。

ジェーンは夢を見ていた。元婚約者であったジョセフが国王になり、彼と結婚して幸せに暮らす夢だ。しかし、それはフリードリヒによって無理やり壊された。

「あなたは夢でも現実でも、私の幸せを壊すのね」

ジェーンがそう言うと、フリードリヒに背後から抱き締められる。ジェーンは「離して!」と抵抗するが、男性の力には敵わない。

「抵抗する気?なら兄さんを処刑するように言おうか。僕の命令は絶対なんだよ?」

耳元でそう囁かれ、ジェーンは悔しくて泣きたいのを堪えながら暴れるのをやめる。するとフリードリヒは「いい子だね」と甘い声で言いながらジェーンの耳に口付けるのだ。

フリードリヒは無実の罪をジョセフに着せ、王位継承権を剥奪して投獄するように命じた。ジェーンはジョセフが無罪であることを主張したが受け入れてもらえず、フリードリヒの婚約者になってしまったのだ。
< 2 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop