絶対王政〜You are king〜
しばらくしてようやく唇が離れたと思ったら、すぐにまたキスが再開される。今度はジェーンの口腔内に舌が入り込んできた。

(この舌を噛み切ってやる……!!)

ジェーンはそう思っていたが、フリードリヒはジェーンが何もできないように口腔内をかき乱していく。ジェーンにとっては辛い拷問のような時間だ。ジェーンにとって不快な音が食堂に響く。

フリードリヒがジェーンの口から舌を抜いた時には、ジェーンは全ての体力を失ったかのようにグタリと椅子の背もたれにもたれかかっていた。苦しいだけのキスにジェーンの目からは涙がどんどん流れていく。もう食欲もなくなってしまった。

「僕は、ジェーンがずっと好きだよ」

ジェーンの頭にふわりと手が乗せられる。フリードリヒは優しく笑いながら言った。

「兄さんと引き離されて絶望的な表情を見せるジェーンも、幽閉されて僕に怒るジェーンも、無理やり嫌なことをされて泣くジェーンも、苦しみから解放されなくてもがくジェーンも、どの顔も好き」
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