サンタクロースに恋をした
「先輩……先輩は、平川さんが好きですよね?」
思い切って、聞いてみた。確かめたかった。
「……そうだね」
「辛く、ないんですか?」
「そうだな……辛くないと言えば嘘になるかもしれないけど、安藤くんと話してる時の那美ちゃんって、楽しそうでしょ? それ見てるとさ、ああ、これでよかったんだなって思えるんだよ」
安藤くんが言っていたのと同じことを、先輩も言葉にした。
2人の人にそんな風に思われる平川さんが、本当に本当に心の底から羨ましい。
同時に、妬ましい。なんで平川さんだけが、こんなに好かれるの?
「先輩、私、中学の頃から先輩のこと好きだったんです」
せめて先輩くらいは、私のことを見て欲しい。
「うん」
告白されることに慣れている先輩は、私の言葉には全然動揺しない。
「私じゃ……だめですか?」
「……ごめん、まだ、那美ちゃんのことが好きなんだ。初めて好きになった人なんだよ、那美ちゃんは」
それでもいい、心の中ではそう思っているのに声に出ない。それに……だめだと分かった瞬間に、すぐに受け入れている自分がいた。
どうしてなのか……分かる。
「僕の思い違いだったら申し訳ないんだけど……本当は、他の人が気になってるんじゃない?」
「どうして、ですか?」
「僕に対して、好き『だった』って過去形を使ったから」
無意識だった。全然、気が付かなかった。
「それは……」
「いいよ、僕は、フラれることにも慣れてるからね」
先輩は、皮肉を込めてか笑いながらそれを言った。
思い切って、聞いてみた。確かめたかった。
「……そうだね」
「辛く、ないんですか?」
「そうだな……辛くないと言えば嘘になるかもしれないけど、安藤くんと話してる時の那美ちゃんって、楽しそうでしょ? それ見てるとさ、ああ、これでよかったんだなって思えるんだよ」
安藤くんが言っていたのと同じことを、先輩も言葉にした。
2人の人にそんな風に思われる平川さんが、本当に本当に心の底から羨ましい。
同時に、妬ましい。なんで平川さんだけが、こんなに好かれるの?
「先輩、私、中学の頃から先輩のこと好きだったんです」
せめて先輩くらいは、私のことを見て欲しい。
「うん」
告白されることに慣れている先輩は、私の言葉には全然動揺しない。
「私じゃ……だめですか?」
「……ごめん、まだ、那美ちゃんのことが好きなんだ。初めて好きになった人なんだよ、那美ちゃんは」
それでもいい、心の中ではそう思っているのに声に出ない。それに……だめだと分かった瞬間に、すぐに受け入れている自分がいた。
どうしてなのか……分かる。
「僕の思い違いだったら申し訳ないんだけど……本当は、他の人が気になってるんじゃない?」
「どうして、ですか?」
「僕に対して、好き『だった』って過去形を使ったから」
無意識だった。全然、気が付かなかった。
「それは……」
「いいよ、僕は、フラれることにも慣れてるからね」
先輩は、皮肉を込めてか笑いながらそれを言った。