サンタクロースに恋をした
 こうやってみると、先輩と那美は両思いなのに、那美は安藤を選んだ。

 でも、那美の表情を見ると幸せそうで、これでいいと思ってる。

「ねえ、那美」
「なに?」
「今日カフェ行かない?」
「いいね」

 那美が本当のところどう思っているのか聞いてみたくて、私は久しぶりに放課後のカフェに那美を誘った。







「ねえ、ここにしない?」

 最近できたカフェは、カフェと言うよりは喫茶店という雰囲気で、中には穏やかな顔をした女性の姿があった。

 中に入ると感じのいいジャズが流れていて、私たち高校生には少し背伸びをした環境な気もするけれど、落ち着いて話をするにはこういうところがいい。

「うん、いいね」

 カフェのおすすめの秋の味覚パフェを頼んで席に着いた。

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