サンタクロースに恋をした
「落ち込んだ私を安藤は映画に連れて行ってくれて、励ましてくれたの。それで大分心が軽くなって」

 それも知らなかった。私は全然那美のこと見てなかった。

 安藤より長い間那美の隣にいるのに、安藤よりも那美のこと見えていない。

 もし私がもっとちゃんといろいろと考えていたら、那美は今頃先輩と付き合えていたのかな……?

「って、ごめん……。莉子のせいなんかじゃないのに……」

「私の方こそ、ちゃんともっと考えてればよかった」

 那美は、笑っている。でも、今すぐにでも泣き出しそうで。やっぱり、私のせいだ。

 私が、動かないとだめだよね。


< 112 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop