サンタクロースに恋をした
 それから1時間後、ようやく家の中に活気が戻ってくる。

「はー気持ち良かった」
「そんなに? いいなあ、私も行きたかった」

 帰って来た皆は頬が紅潮していて、気持ち良かったんだろうなあというのがひしひしと伝わってくる。

「今度行こうぜ」
「うん、そうだね」
「えー、男女2人が温泉? なんかやらしい」

 莉子はふざけた調子で私たちをからかってくる。

「そう考える莉子の方がやらしいよ、もう、ね? 丸川さん」
「あ、うん」

 そう、これでいい。皆がいれば私はいつもの通り笑える。

 やっぱり、安藤がいて莉子がいて、それが今の私にとっては1番幸せなの。

「さあ、夜ごはんの準備、しましょうか」

 梨衣名先輩の一声で、皆は動き出した。


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