サンタクロースに恋をした
「安藤、めっちゃ汗かいてる」
「身体があったまってるせいだな多分」
「もう結構経つけどね。ほら、ハンカチ」
私は今日持って来たハンカチがあの時先輩にもらったものだということが完全に頭から抜けていて、ハンカチをポケットから出して安藤に渡した。
渡した後に気付く、そのことに。
「あ」
「ん?」
渉先輩はそのハンカチをじっと見つめている。ピアノ柄の、クリスマスらしくツリーの刺繍がされてあるそれ。
「ううん、なんでもない」
未だに持っているなんて、気持ち悪いよね。あの時のことが嬉しくて、ずっとずっと捨てられなかった。
辛い時このハンカチを見ると、勇気付けられた。
でも…………いつまでも、このハンカチに頼ってばっかりいられない。先輩を少しずつ自分の中から消さないといけないから。
先輩はすでにハンカチからは視線を外していて、表情はにこやかだった。
「身体があったまってるせいだな多分」
「もう結構経つけどね。ほら、ハンカチ」
私は今日持って来たハンカチがあの時先輩にもらったものだということが完全に頭から抜けていて、ハンカチをポケットから出して安藤に渡した。
渡した後に気付く、そのことに。
「あ」
「ん?」
渉先輩はそのハンカチをじっと見つめている。ピアノ柄の、クリスマスらしくツリーの刺繍がされてあるそれ。
「ううん、なんでもない」
未だに持っているなんて、気持ち悪いよね。あの時のことが嬉しくて、ずっとずっと捨てられなかった。
辛い時このハンカチを見ると、勇気付けられた。
でも…………いつまでも、このハンカチに頼ってばっかりいられない。先輩を少しずつ自分の中から消さないといけないから。
先輩はすでにハンカチからは視線を外していて、表情はにこやかだった。