サンタクロースに恋をした
「まあ、決まったものは仕方ないし、レシピでも調べようか。僕、フレンチトーストなんて作ったことないし」
「俺も同じく……」

 2人でスマホを駆使して朝食のレシピを検索する。

 冷蔵庫の中の食材を確認するために部屋を出ると、廊下に響く女子たちの楽しげな声に溜息が出そうになる。

 先輩と2人が嫌というわけではないが、俺もあっち側に行きたい。楽しい夜を過ごしたかった。

「……いいご身分だね、女子たちは」
「あはは、そうですね」
 




「まあ……これだけあれば材料は足りるね。あとは、全部を作るのにどらくらいの時間が必要か……」
「1時間くらいあれば大丈夫じゃないですか?」

 夜ご飯と比べて軽いものばかりだし、おにぎりなんかは握るだけ、トーストは焼くだけ、とシンプルなものも多い分、多分そんなに時間はかからないだろう。
 
 ただ、先輩はある程度料理に慣れているからいいものの、俺はまだまだ不慣れで、無駄に時間がかかってしまうことは想定内だ。

 多分慣れた人なら30分もあれば出来てしまうかもしれないが、ここは多めに見積もって1時間。

「うん、そうだね。じゃあ、7時くらいから作り始めようか」
「ですね」

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