サンタクロースに恋をした
 キッチンから再び部屋に戻ってくると、先輩は椅子に座ってぼーっとパソコンの画面を眺めていた。

 先輩の顔を改めてよく見ると、男の俺でも見惚れてしまうほどに整っている。これは女子が放って置かないのも納得だ。

 というか、先輩は俺のことをどう思っているのだろう。初めて会ったあの階段で先輩が俺の顔を見たとき、微かに瞳が震えたようた気がした。

 いつから先輩が平川のことを好きなのかは分からない。でも、多分あのときはすでに惚れていたと思う。

「先輩」
「ん?」
「先輩は那美のこと……好きですか?」

 先輩の口から直接聞きたい、それで俺がどうするわけでもないけど、ちゃんと確かめたい。

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