サンタクロースに恋をした
 ふと廊下を見ると、歩いている丸山さんと目が合った。ぺこっとお辞儀をして軽く走りながら通り過ぎる。

 ……そうだよね、丸山さんは安藤が好きだし、好きな人の姿、見たくなるよね。

 安藤は丸山さんの気持ち分かってなさそうだし……でも私がどうする問題でもない。

 でも、内心丸山さんはどう思っているんだろう。好きな人の好きな人が、他の人に少しでも気持ちがあるなんて。私のこと、恨んだりしてないかな……。

 私だったら……攻めてしまうかもしれない。だったら別れてよって。

 安藤を見ると、何も知らないこその能天気な顔をしている。

「あのさ……もし、今誰かに告白されたらどうする?」
「は? 断るに決まってるだろ?」
「だよね、変な質問してごめん」
< 148 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop