サンタクロースに恋をした
 中学になるとよく告白をされるようになった。女子は、僕の顔が好きらしい。僕の顔を見ると顔を赤らめる。

 だけどそんなのはどうでもよかった。

「お前、本当モテるよなあ。いいよなあ、顔が整ってるって」
「いや、この顔のせいで同性の友達は目黒だけだよ」

 こいつは僕とは違って男らしい見た目をしてして、僕の憧れでもあった。

 ただ、2人でいると一部の女子から「カップル」と呼ばれることだけには抵抗があったが。

「いいじゃん、友達いなくても彼女がいればさ」

 どうでもいいとは思うが、確かに女子たちは僕自身が嫌うこの顔を好きだと言ってくれる貴重な存在だ。

 顔を好きだと言われると、自分を否定する気持ちを抑えることが出来る。これまでの過去を上塗りすることができる。

 でも……付き合った彼女たちは「顔がよくてもつまんないね」と言って去って行った。

 結局彼女たちも時間が経つと顔以外のものを求めるようになってくる。

 去ってはまた他の人が告白してきて、またその人が去り、また違う人に告白され、そんなことが続いた。
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