サンタクロースに恋をした
「あ、そ、そうですよね?!」 

 彼女は顔を真っ赤にして首をふりふりと横に振っている。その反応は……何を意味するんだろう。

「まあ、もう少しでフラれる予感もするけど」 

 よく分からないけど、なんとなく彼女にそののとを知ってほしくて余計なことまで言ってしまう。

 もうすぐフラれるから彼女になんだというのだろう。なにも、関係ないじゃないか。

「もう、そんな暗い話は止めましょう。せっかくのお菓子が美味しくなくなっちゃうわ」

 姉さんによって、会話は強制終了させられた。 

「そうだね」 

 そもそも今日はお菓子を楽しみに来たわけで、まさかの彼女との再会はあくまで偶然の産物。

 余計なことは考えないようにしないと……と、お菓子を食べていると視線を感じた。

 見ると、彼女の目が僕をがっちりと捉えている。

「ん? 僕の顔になんか付いてる?」

 顔を見られのは慣れ放題慣れている。

「あ、いや、なんでも……」 

 彼女はすぐに目を逸らした。 
 
「もう、後輩にくらいもっと愛想良く話もいいのに、ね、那美ちゃん」

 そんなに、愛想悪くしているつもりもないんだけどな……。

「あはは……」
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