サンタクロースに恋をした
 分かってる、だいたい、私には好きな人がいてそんな私を好きでい続けるなんて意味がないことをする方が可笑しいし、だけど、この前映画を2人で観に行ったばかりだよ? 

 なに手作りお菓子なんて貰ってるわけ? 

 結局男子なんて軽い生き物なんだ。好きだと言っていたくせに、次の日には違う人を好きになる。

 屋上に続く階段を駆け足で上って、その扉の前で止まる。

 こんな時漫画だったら屋上に行くことが出来るけれど、現実はその扉には鍵がかかっていて、ここまでが限界だった。

「はあ」

 とりあえず階段に座って怒りを収める。でも、考えたくないのにさっきの安藤の姿ばかりが頭に浮かんできて、だんだんと自分が惨めに思えてくる。私って、恋愛に向いていないんじゃないのかな……。

「何やってるんだろ、私……」

 その時、誰かが階段を上ってくる足音が聞こえてきて、どうしようかとあたふたしているとその人物が姿を現した。
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