サンタクロースに恋をした
「そんなこと今はいいから、いけよ。いつまで待たせるつもりだよ。女子どももうるさいし」

 確かに、クラスメイトの女子たちが先輩の顔を見て「かっこいい」とか「え、誰?」とか「あんな人いたの? かっこよすぎっ」とかこそこそと話している。 
 やっぱり、誰からみても渉先輩の容姿は優れている。 

 だけどそんな声を聞くとますます行きづらくなって、ゆうっくり教科書を鞄に仕舞っていると、そんな私の姿に痺れを切らしたのか、安藤が私の腕を掴んで先輩の前まで連れて行った。

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