サンタクロースに恋をした
「ちょっ」
「すいません、こいつのろまで」
「あ、……いや、いいよ。むしろ、急に来てごめんね」
「いえ、そんなこと」

 私がのろのろしているせいで、先輩に謝らせてしまう。もう、なにやってるんだ自分。

「連絡先、交換しようと思って」

 やっぱり、聞いてたんだ……。 

「姉さんももう部活来れなくなるし、そうなると那美ちゃん1人になるでしょ? 他の人は僕と同じ幽霊部員だしさ。だから、僕が姉さんの代わりに」
「あ、いえ、そんなご迷惑」

 そっか、そういうことか。そうだよね。

「迷惑なんかじゃないよ」

 先輩は私の言葉をはっきりと否定した。まただ、真っ直ぐな瞳で私を見てくる。

 そんな風に言われたら、そんな目で見られたら、もっともっと好きになってしまう。

「えっと……ありがとうございます」
「……うん、あ、そうだ。今度3人で苺大福食べに行こう。僕のおすすめも知ってほしいから」

 本当は2人で行きたいけれど、そんな贅沢は言わない。ただ側にいられれるだけで今はいいから。

「はいっ、行きましょう」
「じゃあ、あとで連絡するね」
「待ってます」
 
 
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