サンタクロースに恋をした
「てかさ、安藤のことはどう思ってるの? 実際」

 そう、だよね。安藤からは告白されているし、それにまだ返事をしていないし……。

「……なんかさ、元カレと会った時以来、ちょっとかっこいいなって思ってて……。でも、好きとかじゃないんだよ? なんか、好きって気持ちが伝わってくるのが、嫌じゃないっていうか……。中学の頃は、男子にそういう目で見られるの本当に嫌だったんだけど……」

 好きだと思われるのさえ、嫌になっていたあの頃。
 
 自分を見てくる甘い雰囲気の目が気持ち悪く見えて、私は男子から逃げていた。

「そっか。まあ、私は安藤でも先輩でも、那美が選んだ方を応援するよ」
「ありがとう」

 そろそろ雪が降りそうな空を眺めて、自分の気持ちに向き合う。先輩が好きなのに、安藤も気になる。

 気持ちが2人の間で揺らいでる。どうすれば……自分の本当の気持ちが分かるのかなあ。
 
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