恋の糸の先で……
ルーサーの屋敷は、アンの屋敷から二時間ほどかかる遠いところにある。しかし、アンの屋敷よりもずっと大きく、通りを歩く人がつい足を止めて見つめてしまうほど美しい。

「ここがルーサー様のお屋敷ですか……」

一気に緊張してしまうアンの手を馬車に乗る前のように二人は握ってくれた。

「大丈夫だよ、リラックスして」

「ルーサー様の自室でお話しましょう。すぐに紅茶をお持ち致します」

屋敷のドアをシャノンが開け、アンはルーサーと共に中へと入る。真紅の柔らかなカーペットが敷かれ、豪華な調度品であふれた屋敷の中は、アンにとって別世界に来たかのようだった。

「すごい……」

中庭もアンの屋敷の小さなものとは違う。美しい花が咲き誇り、広々としていて噴水まである。アンは屋敷のあちこちを見渡しながら歩き、その様子を見てルーサーとシャノンは微笑んでいた。

「ここが俺の部屋だよ」

ルーサーが二階の奥にあるドアの前で立ち止まり、シャノンがそのドアを開ける。そこには、アンの部屋の何倍もある広さの部屋があった。
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