恋の糸の先で……
「す、すごいですね……」

アンは緊張しながら部屋の中へと入る。シックなデザインの調度品で部屋の中は統一されており、窓からは美しい街並みが見渡せた。

「気に入ってくれた？夕焼けや夜空も綺麗に見えるんだよ」

ルーサーが窓の外を見つめるアンに言い、アンは「私の屋敷からは森などしか見えないので、新鮮です」と笑顔で返す。こんな都会の景色も悪くない。

「失礼します。紅茶をお持ちしました」

部屋に置かれたテーブルの上に、シャノンが湯気の立つおいしそうな紅茶を置く。カップはアンティーク調のおしゃれなもので、高いものなんだとアンは一目でわかった。

「いい茶葉が手に入ったんだ。アンに飲んでもらいたくて」

ルーサーはそう言い、先にカップに口をつける。ルーサーが飲んでいるということは高級な茶葉が使われているのだ。アンも緊張しながらカップに口をつける。

「おいしい……」

上品な香りと同じく口の中に上品に広がっていく甘さに、アンは微笑む。こんなおいしい紅茶が毎日飲めるなんて、ルーサーが羨ましい。
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