恋の糸の先で……

「気に入っていただけましたか？」

シャノンが訊ね、アンは「ええ、とてもおいしい」と頷く。シャノンは「それはよかったです」と嬉しそうに言い、ルーサーも笑いながら言った。

「なら、毎日のお茶の時間にはこのお茶を出そうかな。アンの好きなものを用意したいし」

「毎日……？」

アンが聞き返そうとした刹那、目の前がグニャリと揺れる。一瞬何が起こったのかわからなかったが、激しい眠気が襲ってきたのだとアンは理解した。

「大丈夫だよ、安心して」

「おやすみなさいませ、アンお嬢様」

ふわりと二人に優しく頭を撫でられ、アンは眠気に抗うことができずに意識を手放した。



「……んっ」

アンが目を開けると、天蓋のついた薄いピンクの可愛らしいベッドの上だった。ボウッとする頭でアンは何をしていたのか記憶を辿る。そして、人様の屋敷で眠ってしまったことを思い出した。

「ルーサー様、シャノン、ごめんなさい！」