彼女を10日でオトします~裏話・番外編~
 私と貴史が帰って来た途端、響ちゃんは、さっさと2階にあがっちゃうし、たすく君に「どうしたの?」って聞いても、にっこり笑うだけだった。

 一番びっくりしたのは、響ちゃんが降りて来た時にはドレス着てたことよ。
 あんなにドレスを着るの嫌がってたのに、颯爽と降りてきて。

 絶対、怪しいわ。

 たすく君なんか、そんな響ちゃんを見て、ぽーっとしちゃって。俗にいう、『見惚れてる』ってやつよ。

 姉の私が言うのもなんだけど、可愛いのよ。ホント。

 面白かったのが、ドレス姿の響ちゃんを見た貴史がいつものように響ちゃんのおでこにキスの嵐を降らせてたときの、たすく君の顔!!

 可愛らしい笑顔を引き攣らせちゃって、眉毛なんかピクピクしちゃってんのよ。あれはケッサクだわ。

 貴史も貴史で、わざと、たすく君に見えるようにやってるし。
 あれってなんなのかしら? 男の意地? 貴史の場合は、父親の気持ちなんでしょうけど。



 

 
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